飛行機の座席、幼児2人を連れた夫婦は隣席には座れない、ご存知だろうか?
その理由を、私が体験した出来事を通してご紹介しよう。
▲座席のイメージ。B787−8、ANAの初号機JA801Aの機内
飛行機の座席はぜったい窓側席、というのが私の流儀なのだが、そのFlightではどうしても窓席の予約ができず、やむなく通路側D席に座った。その後、夫婦ふたりとまだ生後数ヶ月の赤ちゃん、それに2才くらいの男の子を連れたファミリーが搭乗してきた。ANAなどでは3才未満の幼児は料金無料で膝の上に座らせることができるから、夫婦の2席を予約すれば家族4人で乗れるというわけだ。
そして、お母さんと赤ちゃんは私の前列のD席に、お父さんと男の子は私の列の隣、奥側E席へと着席した。うまく横並びの席が取れなかったんだろうと思い、私は「座席替わりますよ」とご夫婦に声をかけた。D席を前後で交換するだけだからこちらは何も問題ない。ご夫婦からは「ありがとうございます」と言われ、「ちょっと良いことしたな、気持ちいい」と思っていたのだが、、、
出発前の最終チェックに機内を回っているCA(キャビンアテンダント)さんに言われたのが、次の言葉。
「席を替わられたのでしょうか? 申し訳ありません、せっかくのご親切なのですが規定によって子どもさんふたりが並んで座ることができなんですよ、酸素マスクの関係で・・・」
「あっ、そうなんですか。それは失礼しました、、、」 と頭をかきながら元の席に戻ることに。
さて、子どもが並んで座れない規定とはなにか?
調べて見るとANAの「座席指定について」ページの一番下に小さな記載があった。以下引用。
●幼児をお連れのお客様は、安全上の理由により、非常口座席はご指定いただけません。また、座席列の酸素マスクの個数制限により他の幼児連れの方と同じ座席列にはご着席いただけません。幼児連れのお客様が複数の場合は、前後の列または通路を挟んで並びの列の座席をお選びください。なお、幼児は指定された座席でお抱きください。
どうやら、非常時に使用する酸素マスクが座席数+1しか設置されていないのが、その理由。
たとえばB777の国内線用シートレイアウト3×4×3の列を例にすると、
窓側3席の列には4人分、中央4席の列には5人分の酸素マスクしかセッティングされていないということ。
もし、夫婦2名+幼児2名の4名がD&E席に座り、横にも乗客がいるとすれば
合計6人で5個の酸素マスクを奪い合うという事態になるから
幼児連れの人は前後の席、あるいは通路をはさんだ席にならざるをえないのだ。
B767やB787では窓側は2席のシートレイアウトになっているが、
同じ理由で2席並びで空いていても、幼児2人連れの4人家族は一緒に座ることができないのだ。
そばの座席をキープするための解決法は、通路をはさんでC&D席といった選択をするか、
もしくは前後で同じD席にするといった方法になるだろう。
子どもを連れての搭乗、特に幼児連れの搭乗の際は、
こうした保安上のルールを理解した上で
早めの座席指定をお勧めする!