台風は大量の水蒸気を熱帯の海から運んでくる。
この水蒸気が、普段はなかなか見られないような雲をつくり出してくれる。
飛行機の翼の上にできる薄いベールのように虹色に輝く雲、“虹色ベイパー”もそのひとつだ!
2015年7月16日AM8:00、台風11号が上陸する前の大阪の空。
▲成田へ向かうJAL3002便、B777-300がつくり出した虹色の雲、ベイパーだ!
▲ほぼ同時刻、はるか上空を西へ向かう双発機。こちらも虹色のベイパーをひいている!
ベイパー(Vapour、Vapor)とは「水蒸気」といった意味があるようだが、飛行機雲の一種。
エンジン排気によるものエンジンの排気により空気中の水分が増加し、飽和水蒸気量にまで達する場合があり、それが凝縮し水滴、氷になり雲となる。航空機の燃料として、レシプロエンジンの場合はガソリン、ジェットエンジンの場合は灯油をベースとしたケロシンが使われる。いずれも主な成分は炭化水素であり、炭素は燃えて二酸化炭素になり、水素は水となり、水蒸気として放出される。もともと大気中に存在する水分と合わさり、大気中の微粒子等を核として水滴が成長、さらに高々度の低温の下で氷結して飛行機雲となる。このため、中緯度地域では5000m~13000mの高度に存在していることが多い。
翼まわりの低圧部によるもの
揚力が生じている飛行機の翼上面では気圧が低くなっている。このとき大気は断熱膨張によって温度が下がっているため大気中の水蒸気が凝縮して水滴となり、飛行機雲として観察される。特に翼端付近では翼下面と上面の気圧差から翼端渦と呼ばれる渦が生じており、中心付近の低圧部で雲が生じやすい。ドッグトゥース(翼の切り欠き部)や、LEX(胴体と接するあたりの翼前縁部が延長されたもの)といったところに生ずる渦によっても生成されることがある。
エンジン排気によるものは、2本のレールのような雲をつくりだすもので高い空でしか見られない。
「あっ、飛行機だ!」と思うのはほとんどがこのタイプだろう。
▲4発機のエンジン排気がつくり出す飛行機雲。最初は4本だが左右で合体して2本の筋になっていることも多い
一方、“ベイパー”は翼のまわりの低圧部でつくりだされるもの。
こちらは高い空だけではなく、滑走路の上など低高度でも発生するケースがある。
そう、空気中にたくさんの水蒸気が蓄えられている時、湿気の多いときがチャンス!
小雨の降る日や、雲底が低い日には空港の周辺でも見ることができるが、“虹色ベイパー”を見るためにはもうひとつ条件がある。
それは太陽の光。翼の上にまとった薄い雲に太陽の光が当たることで、虹色のベールが出現する。
(太陽光の角度が悪いと虹色にはならない、もしくは太陽が隠れていてもダメ)
だから、台風が近づきつつあるとき、そして青空がのぞき日射しが差し込むときが「虹色ベイパー」のチャンスなのだ!
まさに今日は2つの条件を満たしてくれたから出会えた虹色ベイパー。
残念ながら1時間もすると日射しは消えて、強風が吹き荒れる悪天候となってきた。
でも、素晴らしい空をみせてくれてありがとう!
台風への備えは必要だけど、、、
日本の空を、楽しもう!
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