二度と聞きたくない! カルマン渦がつくりだす暴風の風音
2018年 09月 30日

前回、関空島を始め、関西にも大きな被害を及ぼした台風21号。
気圧は950hPa近くまで下がり、最大瞬間風速58mを記録した強烈な台風だった。
大阪を通過した午後2時頃、暴風がまともに窓に当たるマンション4階の自宅から、窓ガラスがしなるのを身体で押さえながら外を見ていると近所のトタン屋根が吹き飛んでいった…。その時に聞いた不思議な音を覚えている。
強風が吹くときに聞こえるヒューヒュー、グゥォーグゥォーとうなるような音ではなく、
「キーーーーーン」という、強弱のない高い音が、ずっと響き続けるのだ。
ターボチャージャーが高速回転するような音…
ジェット旅客機が離陸するときのフルパワーエンジンのような音…。
なんだったのだろう?
台風24号が迫る中、調べてみた。
●うなる風音はカルマン渦がつくりだす!
ヒューヒュー、グゥォーグゥォーとうなるような風の音。
あの音を作り出しているのは「カルマン渦」と呼ばれる流体現象だ。
カルマン渦は空気や水などの流れの中に柱状の物体を置いたときに、物体の後ろに交互に2列の渦の列ができる現象。

この渦がお互いに干渉しあって、空気を振動させる。つまり音を生み出すという仕組み。
木枯らしが木々の枝を抜けるときの音、バットをフルスイングしたときの音、縄跳びで二重跳びをするときの音…。
すべて物体の後ろに生じた渦、空気の振動によって生じた音なのだ。
ちなみに、カルマン渦は地球規模の気象現象でも巻き起こされる。この写真を参照。。。

●風速によって周波数は決まる
カルマン渦による音、その周波数は計算によって導き出すことができる。
周波数(Hz)=0.2×(風速m/s÷物体の直径m)
たとえば直径1cmの電線に風速20mの強風が吹くときの周波数は
0.2×(20÷0.01)=400Hzとなる。
しかし、風速50mの暴風の周波数は
0.2×(50÷0.01)=1000Hzになる。
電線の直径が小さければそれだけ周波数も高くなる。
風速50mが直径0.5cmの電線にあたると
0.2×(50÷0.005)=2000Hzになる。
聞き比べてみると、先日の異音は2000Hzの音に近かったように思う。
初めて聞く音。それは風速50mという、初めて体験する烈風が巻き起こしたカルマン渦の音だったのだろう!
参考:熊本地方気象台さんがアップしていた図

●「キーン」という風音が聞こえたらヤバイ
本来、風は息をするように強弱をもって吹き付ける。
しかし、先日聞いた音は耳鳴りのように「キーーーーーーーーーン」と連続した音だった。
強弱の揺れが感じられないほどの強さ、恐ろしい速度で空気が流れていたのだろう。
今日も台風24号が上陸してくる。
午前8時、すでに大阪にも暴風警報が発令された…。
あんな音は二度と聞きたくない!
どうなってしまったのだろう、
どうなっていくんだろう、日本の空は。
無事に過ぎ去ってくれることを祈る。
追記:2023年8月14日 台風7号が近畿に上陸しようとしている。
被害が亡きように、、、

